明日葉とかき菜

   明日葉(せり科)     かき菜 今日とっても、明日には新芽が出てくるから明日葉(実際には四、五日かかります)、 下の大きい葉っぱから、順々にかいて食べるから、かき菜といいます。 どちらも、無耕機、無肥料、こぼれ種で、とてもよく育つ植物です。 秋から春にかけておいしくなり、島の人々にとって、昔からなくてはならない野菜で、 家でも、明日葉のおひたし、かき菜飯等が大好きです。 そして、お正月には、かき菜のお雑煮と決まっています。 明日葉はちょっと苦いので、はじめはマヨネーズをかけると、食べやすいかも。 慣れてきたら、酢醤油でもどうぞ。 かき菜はからし菜の仲間です。 大きな葉っぱを生のまま細かく切って、昆布の細切りと塩を混ぜ、重石をしておくと、 ピリッと辛い漬物の出来上がり。 春になり、つぼみが伸びてきたら、手で折れるところでポキンと折って、 茹でてお浸しにしてもとてもおいしいのですが、 ほんの軽くだけ、サッと茹でてから切り、塩を混ぜて重石をすると、 これまたおいしい、歯ごたえのある漬物になります。 しっかり茹でてしまうと辛味がなくなるので、注意してくださいね。 どちらも野性のエネルギーがいっぱいです。 明日葉の花 かき菜の花芽 花びらの数が4枚なのはからし菜の仲間の証拠

麦雑炊

「名物にうまいものなし」なんて言いますが、その土地に何年も暮らして、 初めてそのおいしさが分かる物ってありますよね。 その土地で採れるものは、そこに暮らす人の体に一番合っているのでしょう。 八丈名物、麦雑炊は、島で採れる日本一美味しい里芋と明日葉がたくさん入っていて、 少し苦くてお浸しでは食べにくい明日葉も、子供でもたくさん食べられます。 大鍋にいっぱい作らないと美味しくない、とか、絶えずかき混ぜていないと焦げてしまう、 と聞いてなかなか作れなかったのですが、超簡単な良い方法を思いつき、 たびたび食卓に上るようになりました。 麦雑炊を作りたいときは、まず前の晩の味噌汁に芋汁(いもしる)を作ります。 ① 里芋は皮をこそげ一口大に切る。明日葉は茹でて水にさらし、ざく切りにする。 しょうが少々はみじん切りにする。 ② 厚手の鍋に、水と里芋、明日葉、しょうが、味噌、しょうゆ少々を入れて火にかけ、 沸騰したら、鰹節を削って入れ、里芋が軟らかくなるまで煮る。 これで芋汁は出来上がり。 ③ 芋汁の残りに押麦を加え、火にかけて、沸騰したら弱火にして5分煮る。 火から下ろして、バスタオルなどでくるみ、一晩おくと麦雑炊の出来上がり。 ※ しただみという小さな貝を入れると、最高に美味しいそうです。 *夏には里芋をジャガイモに代えて作ります。