クルクマってどんなお花?

クルクマはタイ原産のショウガ科の球根植物です。
上へ上へと伸びた先に、白やピンク、薄紫の、蓮に似た上品で幻想的な花が咲きます。
まるで極楽浄土に飾られたトーチ(たいまつ)のようです。

でも、じつはこのお花に見える部分はお花ではありません。

 

これが本当の花の部分です。
それじゃあ上の色付いた部分は何なのかって?
「苞」(ほう)というんですって。
ほーう (笑)

 

こんな不思議な形の球根です。
一番上の丸い部分から白い芽が、最初に下向きに出て、それから上に伸びます。
下の丸いのは、子球ではなく、水球(すいきゅう)といい、栄養分を貯めておくものらしい。

 

 

多花園のクルクマ物語

平成四年頃、農協から「余っているから、作ってみないか?」と勧められました。初めはあまり乗り気ではありませんでしたが、作ってみると夏でも花もちがよく、島の人に喜ばれたので、段々と意欲的に取り組むようになりました。

最初は露地で作り、秋に球根を掘り上げましたが、消耗が激しく、たくさんの球根をダメにしてしまいました。次第にハウスの中で作るようになり、春まで、球根は植えっぱなしにしています。

農協から入ってきた球根は、クルクマシャロームが最も多かったのですが、原種のポトワなども少量ずつ入っていて、すぐに育種を始めました。

「熱帯亜熱帯植物研究会」の旅行でタイにも行きました。原産地でどのように育っているのか見たかったのですが、休眠期でクルクマの姿はありませんでした。仕方なく、市場で球根を数種類買ってきました。

毎年育種に励んでおり、ここにしかない花がたくさん咲きます。玉石混交ですが、交配の親に使うかも、と思うと捨てられないんですよね。是非、見に来てください。

植え替え 5月  開花期  7~9月